「今日は寒いですね」とお客様。店内もまだ暖房をつけています。
こんな日が続くときは、春らしいスプリングコートではやせ我慢の事もありますね。
さて、そんなまだ冷たい冬のような風の中での釣果、釣り師Dさんから真アジが届きました。
今は有り難いことに流通が良いお陰で朝送ってくれると夕方からの営業に間に合います。
彼はとっても魚の扱いが丁寧で、血抜きも見事ですし、
私などがウッカリ手で掴もうとすると、すぐ叱られてしまいます。
人間の体温で折角の身が焼けるから、というのが理由で、彼は専用のトングを使います。
そんなわけで、主人が「Dさんの魚は物がちがうよなぁ」と毎回いいます。
同じ朝採りといっても定置網は引き揚げる時、
他の大量の魚と一緒で暴れたり押されたりするのでウロコが落ちたり身が傷んだりしますが、
釣りの物はストレスがすくないので捌いていて本当に違う事を実感します。
そうは言ってもいつもは網の物が殆どですが。
小ぶりのアジは早速開いて良い天然塩で干物をつくりました。
ピカピカの見るからに美味しそうな干物が完成しました。
毎日、東京湾や相模湾から届く美味しい海の恵みが料理出来て嬉しいです。
さて、4月の新月の大潮にお待ちかねのヒジキの刈り採りが始まりました。
この時ばかりはタコ漁師のおかみさんも手伝います。
作業は重くて相当に重労働です。
釜上げのヒジキは味も香りも干した物とは違い、この季節だけのお楽しみです。
店への登場は今しばらくお待ち下さいね。
ここに来て海水温が一気に上がり、カマス,アジ、ヒラメ,等が釣れ出しましたが、本来ですとメトウイカの季節で、やりイカ,ムギイカ等美味しいイカの季節のはずが、ここ何年か不漁です.時期折々の魚を釣って、旬を楽しむことができなくなりつつあります。そんな不安が何事もなければよいのですが、人間の短い一生の時間など、地球の営みの時間からすれば点にもならないことかもしれませんが、産卵の時期を迎える魚や、小さな魚をむやみに殺してしまうようなことだけは、海のお世話になるものとして避けるように心がけたいものですね・・・